死について

 東日本大震災から1年が経過した。自然災害で2万人近い人が命を奪われた。私の父は約9年前、そして母が先週他界した。肉親の死について考えるとき、他の人が死ぬこととは違う次元で思いがつのる。何とか死なずに生きながらえる方法がないだろうかと、あれこれ手を尽くす。しかし、いつかは死を迎える日がくるのである。その日を迎えるまでのプロセスが重要である。死んでゆく本人の無念をいうまでもまいが、残された人の虚無感はどうしようもない。どんな死でも、後悔の念はつきまとう。少しでも後悔をしなくてすむようなプロセスを経て、死をむかえるのであれば、少しは納得が出来ると思う。
 死後、死んだ人の魂はどこかに存在するという。生きていた頃に話した事や、一緒にしたことなどを思い出すとき、死んだ父や母の姿が鮮やかによみがえり自分に何かを諭そうとしているように思う。自分はこの世でまだ生きているが、ひとりではない。死後の世界に魂として存在する様々な人と一緒に生きているのではないだろうか。このようなことを考えるとき、今を如何に慈悲深く、真剣に一所懸命に生きなければならないと思う。目の前の困難な状況はきっと何とかなると思う。