野田新総理

 野田総理の人事について、小沢系の輿石氏を幹事長に据えた人事は評価できる。組織のトップは、側近に自分の腹心と対立勢力のトップを据えるくらいの器量が必要だと、かねがね思っていた。側近に、自分の腹心ばかりを配置すると、全て自分の思いどおりになるので好ましくない。というのが、私の持論だ。
 菅元総理等は、自分の周りに自分のことを批判する人物を入れずに、批判するような人は排除するような傾向があったようだ。これでは、緊張感が薄れてしまい、なあ〜なあ〜の政治判断を下すことになる。側近に自分と違う考えの人がいると、議論に緊張感がうまれる。自分ひとりの判断が間違っていることもあるかもしれないという謙虚な気持ちでいれば、その分野の専門家の意見にも耳を傾けることができる。
 このような、幅広い人事ができる人は、大きな仕事を成し遂げることができる人だと思う。野田総理は、この人事をみると敵対する人に頭を下げて、話をまとめることができるような気がする。多くの人が集まれば、派閥のようグループができることは自然なことだが、派閥横断で一緒に仕事をする集団でなければならない。
 ヒットラーのような強烈なリーダーが今求められているのかというと、そうではない。調整型の地味なリーダーが気がつけば他の人を引っ張っているという引っ張り方で良いのではないか。これなら、自分でも可能かなと思う。野田総理、頑張って下さい。