骨造成

 インプラントの業界で、骨が少ない事が予後不良につながるので、骨が少ない場合には骨を作る技術が、15年ほどまえから進んでいる。 20年ほど前は、自家骨移植といって、自分の骨の一部を移植するしかなかったが、この頃から骨を作る為の材料がいくつか開発された。その一つがBio-Ossという材料で、これは牛から作られている。開発当初、牛由来の為の弊害が心配されたが、専門家の調査により安全性が確認され、現在では世界で多く使われている。
 日本では、厚生労働省が認可していないので、個人輸入で個人の判断で使われている。このような材料と自家骨を混ぜて使う事が多い。当院でも10年以上前からこの材料を使っているが、自家骨だけで移植した場合よりも骨の吸収は少ない。このような材料は色々なものがあるが、手術の術式をどのようにするかで、骨のでき方も異なる。我々術者は、繊細な手技で細かい作業をしなければならない。基本的な方法はあるが、新しい材料が開発されることで、手術の方法も変化してくる。
 日々、新しい方法を研究開発している。結果は、患者さんの治癒していく経過を観察する事で確認するのである。つまり、目の前の患者さんが教科書なのである。