デンタルセミナー

 先日、8月21日(日曜日)北九州のリバーウォークでアヴァンティ主催のデンタルセミナーをさせていただきました。内容はインプラントとかみ合わせの話でしたが、大雨にもかかわらず、多数の方にご参加頂きありがとうございました。一般の方向けの講習会ですから、わかりやすい言葉でお話をしたつもりですが、実際の手術のビデオを見て頂きました。抜歯や骨を削る部分も動きがありリアルな映像でしたが、皆さん大変興味深くご覧になっていたようです。
 その内容をかいつまんでご紹介しますと、
1. インプラントをすることで何が変わるのか
2. ブリッジや入れ歯とどこが違うのか
3. 最新のインプラントの治療法
 この三つのことを簡単にご紹介しました。インプラント治療をしたことで、よく噛めるようになることが最も大きなメリットです。噛めることで得られる効果は、消化が良くなり、全身の健康に貢献することがあげられます。さらに、奥歯が欠損することで生じる顎のずれをとり、全身の姿勢を改善することもできるので、肩こりなどの全身症状が改善し、全身の健康レベルが上がることになります。
 入れ歯を使用していた人が、インプラントに切り替えた場合、人前で食事がしやすくなり、友人との旅行も行きやすくなったという感想をもつ人も多くおられます。お口の中が快適になり、話や顔の表情が豊かになったりと、社会生活を積極的に行なえることに貢献もできるようです。さらに、口もとのしわが伸び、顔が若々しくなり、気分的のも快適になります。
 ブリッジとの比較で最も重要なことは、天然歯を削らなくて良いということです。従来のブリッジの場合、欠損した歯の横の歯を削ってブリッジを作成していましたが、インプラントの場合は横の歯を削ることは必要ありません。インプラント単独で噛む力を負担できるからです。特に虫歯ではない健全な歯をブリッジ作成の為に削るという行為は犯罪に近いものがある行為だと思います。
 そして、最新のインプラント治療はCTデータをもとにした、シュミレーション医療だと思います。あらかじめ作成しておいた補綴物を用意しておいて、手術に臨み、手術直後にその補綴物を装着するという治療法が最も理想的な治療法だと思います。ただ、この方法は、いくつかの条件を満たした人でないとできないことが欠点です。その条件というのは、骨が充分存在することと、口が大きく開くことです。この方法が可能になれば、切開、剥離などの処置も最小限ですみますので、患者さんの負担も軽くすみます。
 以上のような内容の話をさせていただきました。インプラントの治療がいいか悪いかという議論はもう終わりました。今は、インプラントをどのように活用するのか、また、インプラントで得られるメリットは何なのかが議論されているのです。一つの理想は、元々あるべき歯茎と歯を再現することです。これにつきます。そして、手術の方法もダメージの少ない方法が研究されています。次から次に研究開発のテーマが広がっていくのが世のつねです。