ドイツのインプラント学会認定医(DGZI)

 約8年前に、ドイツのインプラントの学会の認定医になりました。その際、今までのインプラントに関する研修の履歴や、インプラントの実績を整理した記憶がある。代表的な症例を20例ぐらい取り上げて、治療前、治療中、治療後のエックス線や口腔写真を整理して資料を作製するのが大変だった。なんと、その学会の認定医の日本人の先生がこの症例写真などを他の先生から借用していた事が明らかになったという記事が朝日新聞に掲載された。実名入りで、症例を貸した先生と借りた先生のモラルが問われる内容だった。私も認定を受けている同じ学会だったので、新聞記事の内容を吟味したところ、私が認定を受けたときと全く同じ時期の出来事だったのでさらにびっくりした。
 ドイツの認定医試験は結構厳しく、先程の症例の資料などが一次審査として調べられ、さらにその次に二次審査として、直接3人の教官から口頭試問を受けるのである。この諮問で的確な解答が得られない場合は認定されないのである。私がこの諮問を受けたときも、一緒に受けた先生が危ないところであった。つまり、それほどレベルの高い認定審査を実施しているのである。その一次審査の症例が自分の症例ではなかったなんて信じられない。あまりのも安易に取り組みすぎではないか。それと、ただ単に認定医になる事がそれほど重要なのではなく、本当に実力がある事が重要なのではないかと思う。