チェ・ゲバラ

 キューバ革命カストロとともに実行した革命家、チェ・ゲバラの生涯を描いた映画が二部作で上映されている。早速劇場へ見に行ってきた。圧政に苦しむ庶民の見方としての革命家として、ゲバラの生き様が良く描かれていた。クーデターと革命は違う、ということばが出てくるが、その事を指摘されるまで違いがよくわからなかった。クーデターは一部の軍事勢力などに支配権が移るだけで、主権が国民に移行するという事ではない。彼の考えていた革命とは、一部の支配者が利益を独占するのではない社会の実現だったようだ。農民や一般庶民の身方である事が根本にあったようだ。
 我々日本人はどちらかというとアメリカからの情報で世界情勢を見ている。キューバの革命の歴史的な事実にしてもアメリカに都合のよいような情報が日本に入ってきていると思う。この革命から50年が過ぎ、アメリカ人も少し客観的に歴史的事実を検証しようとしているのだと思う。この映画が真実をどの程度反映しているかは明らかではないが、すくなくともアメリカ擁護というわけではない。日本の外交戦略も日本独自の視点で諸外国の情報を収集すべきである。一部の特権階級の人たちだけが富みを独占してきた結果が、今回の世界同時不況につながってしまったとは言えないだろうか。搾取の法則を根本的に改善すれば、地域の格差が減るのではないかと思う。今こそ、資本主義の問題点を認識し、一般庶民へ富みを還元する方策を真剣に考えなければならないと思う。