小沢一郎という男

 このタイミングで辞意表明するというのは、彼独特の政治センスだと思う。良きにつけ悪しきにつけ、このタイミングでのこの発言は、世間の注目を集める。これが彼の狙いである。参議院で勝ったとはいえ、自民党の老かいな手口にはまってしまって、民主党の独自色が出ていないのが現状だと思う。今回の大連立構想が立ち消えになれば、民主党の分裂を招く結果となり、福田総理の思うつぼである。小沢の本音は、自衛隊の海外派遣に関して、ままごとみたいなことを考えている民主党の議員への警鐘だと思う。実際、海外での平和維持活動について、日本だけが人員を派遣しないのでは、世界の中で理解がえられない。本当に政権を担うつもりがあるのなら、多少の犠牲を払ってでも現実路線にきりかえなければならない。
 民主党ないでの楽観ムードに一石を投じたことになるのである。この国に、本当に意味での民主主義を勝ち取る、絶好のチャンスが今来ているのである。民主党の内部の人たち、汚い仕事にしっかり目を向けて、世界の中で正々堂々と歩ける日本の再建の為にまとまってほしい。今回の出来事がきっかけになって、民主党がもし分裂したとしても、政権運営が可能な政党が連立を組んで新しい政権を作っても良いと思う。政党の存続よりも、本当の意味での改革のできる政権が樹立されればそれで良い。小沢に批判が集中するかもしれにないが、大きな変化をするためには、強引なリーダーも必要である。ここは一つ小沢にかけてみてはいかがでしょう。