今日のオペno14

 今日は4ヶ月前に抜歯したところに骨移植を伴うインプラントの埋入をしました。エックス線では、骨の吸収が大きい為に骨移植しか出来ないと思っていましたが、欠損部の下に骨が十分ありましたので、埋入ができました。埋入がしっかりできましたので、約5mmインプラントの上部を出しておき、その部分に骨の補填材を移植しました。歯ぐきの処理もうまく行き、粘膜の閉鎖もきちんとできましたので、おそらくうまく行くと思います。最近、手術の前に点滴を確保して、抗生物質や止血剤や鎮痛剤などを静注する事が多くなりました。この方が手術中の出血も少なく、手術後の腫れや痛みも少なくてすむようです。血管が小さくでなかなか針が入りにくい場合もありますが、たびたびやっているとだんだん上手になってきました。
 今日の方は切開後、結構出血しました。その際、止血用の電機メス、バイポーラーが今日は特に役に立ちました。この道具、止血するための電機メスで、これは日本製です。インプラント関連の機材のほとんどがドイツ製である中で、非常に貴重な日本製の道具であります。<ミズホ>という手術台や無影灯のメイカーがこの商品を作っています。この道具は、脳外科の領域で神の手を持つといわれている福島先生も愛用している道具です。脳の手術の際、微少な出血を確実に止める事により繊細は手術が出来るという事で、彼はこのバイポーラーの尖端のピンセットを特注で色々な形のものを使っているそうです。インプラントの手術時にこのバイポーラーを使っている先生はまだ少ないのですが、これは非常に役に立ちます。私の手術では現在なくてはならない道具です。これを使うと、止血効果は抜群なので手術がしやすいだけではなく、手術後の腫れも少なくなるのです。<神の手>に近づきたい私にとっては、これは使うたびに福島先生のようになれるような気がして、三種の神器のようなつもりで気持ちよく使っています。『バイポーラーを使うことは<神の手>になるための必要条件なのだ』などと冗談を言いながら周囲の人に宣伝しています。