数学者オイラー生誕300年

Inoue_Hideto2007-04-17

 朝日新聞(2007.4.9)によると、スイス生まれの数学・物理学者レオンハルト・オイラーの生誕から4月15日でちょうど300年になるらしい。ニュートンの重力を発見した話は有名であるが、ニュートンよりも50年くらい後に活躍したこのオイラーと言う人物、現代の数学や物理学に多大な貢献をしたらしい。関数の概念を導入して微積分の公式をわかりやすく解説した彼が書いた教科書は現在でも通用するものだそうだ。私も、学生時代から数学が好きで、数学を研究して過去の偉人たちの伝記をよく読んだものだ。読んだ内容はよく覚えていないが、アルキメデスがお風呂に入っている最中に体積と重さの関係の公式を思いついて、服を脱いだまま帰宅したとかの逸話を思い出す。
 バーゼル問題といわれる、<自然数の逆数の二乗を無限まで足すといくつになるか。>(自然数・・・1.2.3などの正の数、逆数・・・ある数との積が1になる数)この設問の答えをオイラーは出した。その答えはなんと、6分のπ2乗になるという。自然数となんら関連がないように見える円周率πがなぜ、その計算結果に反映するのか、不思議だ。自然界の様々な現象の中に一つの法則を見いだすことにより、混沌とした世の中を鮮やかに見透かすような爽快感を味わうことがでできると思う。我々が取り組んでいる歯科医療の分野でも、一見不規則に感じられる状態の中に一つの規則性を見いだすことにより、歯科治療の方法がより科学的になる。私が取り組んでいる、噛み合わせと全身姿勢の関係についても、最近一つのルールが見いだされてきた。この現象を整理して診断に役立てることにより、効果的な治療が患者様に施せるのである。
 中学、高校時代、数学の勉強をしていたことが、今になって役に立つなんて思いもしなかったのですが、考えてみれば、今日までこのような思考を繰り返していたのだと思う。日本の教育の中で数学的な思考法の訓練を見直してほしいものです。数学的な思考とは、物事を論理的に考えることで、けっして何かを暗記することではありません。