MOTTAINAI

Inoue_Hideto2007-02-22

 ケニア出身のノーベル平和賞受賞者、ワンガリ・マータイさんが、2005年の京都議定書の会議の関連行事に参加したおり、日本の<もったいない>という言葉を知り、世界に広めようとしている言葉が<MOTTAINAI>である。環境問題に取り組む中で、地球の資源を大事に使うという発想が重要であることを彼女は強く訴えている。もともと、日本には物を大事に使う文化が色々あった。私がいつも思い出すのが、ラムネの瓶である。気が抜けないようにビー玉をゴムで密着させて再利用するという発想に基づいた瓶である。それと、私たちが子供の頃は、ティッシュなどはなかったので、布巾(ふきん)をよく使っていたと思う。考えてみれば、何度も再利用していた。ところが今は何かを拭くときにはすぐティッシュを使う。
 壊れた品物を修理して使用することが最近減っていると思う。昔は傘の修繕屋さんが町を歩いていた。傘のつっぱっている金具が折れたとき、折れた場所に補強の金具をつけることで元通りの状態になっていた。最近はこういう修理をするよりも買った方が早いとか、安いとかいいながら、折れた傘が捨てられているのでないだろうか。昔の日本の文化の中に、現代社会の問題点を解決するヒントがあるような気がしてしょうがない。皆さん、日本文化の本質的な良さを見直しましょう。もったいないという言葉の奥には、何かを自分が使う場合にその物に体する感謝の響きがあるし、物を大事に使うという精神がある。言葉はその国ではぐくまれた文化を表している。この言葉に匹敵する英語はないのである。