うずめ劇場

Inoue_Hideto2007-02-18

 今日はうずめ劇場の北九州講演を見にいきました。今回の題目はなんと、三島由紀夫原作の<近代能楽集>の中の3作である。三島由起夫といえば、学生時代に読みふけった作家である。この近代能楽集についても以前読んだ記憶がある。三島の文学は時代を超越したものであることは知っていたが、その中に描かれているテーマは現代においても通じる人間の本質的なものである。つまり、愛と嫉妬、美意識と老い。我々人間が背負っている様々な常識と本能、コントロールできない欲望。今回、ぺーター・ゲスナーに変わって演出を担当した藤沢友氏は、まさにぺーターの愛弟子らしく、インパクトのある演出をしてくれた。会場が奥行きのあるビルの一角だったが、遠近感のある見事な立体構成で、その場所の特色を見事に生かしていた。
 藤沢友氏は、迫力のあるテノールの美声のいい役者だと思っていたが、演出の才能もたいしたものだ。松尾容子女史は今回の作品中、歌を歌って美声を聞かせてくれた。妖艶というよりやはり色っぽさに磨きがかかっていたと思う。そして、今回、注目度NO1は、荒牧大道氏の演技力の向上だろう。前作のヒットラー役で大舞台を踏んだ経験が演技に何ともいえぬ間と迫力を感じさせていた。その他、新人さんも増えて、うずめ劇場の今後が楽しみになった。<追伸>今週土曜日までこの劇は毎日上演中であります。夜、門司港へ行ける方は是非、ホームページから時間を確認してください。チケット予約もお願いします。
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