千の風になって

Inoue_Hideto2007-02-10

 昨年の紅白歌合戦で話題になったのが、<千の風になって>という歌である。私は紅白は見てないので、この歌のことは全く知らなかったのだが、今日、ジムのウォーキングマシーンで歩きながらテレビを見ていると、昨年放映されたNHKの番組の再放送で、この<千の風になって>の歌のルーツをたどる番組を見たのである。放送の内容に見入ってしまい、気がついてみればなんと80分も歩いていた。この歌は、テノール歌手で芥川賞作家でもある新井満さんが日本語の訳詩をし作曲もしたものだそうだ。例の尼崎の脱線事故の慰霊際の時に歌われ、日本で急速に話題を呼んでいる。また、ニューヨークの9.11の追悼式で父親をなくした11歳の女の子がこの詩を朗読したのだそうだ。
 詩の内容は、死者が残された親しい人たちへメッセージを送る言葉である。自分が死んでも、お墓の中にはいないよ。あるときは太陽になり、あるときは鳥になり、いつもあなたのそばにいてあなたを見守っているよという内容である。アメリカでは、ネイティブインデアンの人たちの中で受け継がれてきた自然と共存する生き方の中で代々語り継がれてきた言葉のようだ。また、イギリスのアイルランドの先祖のケルト人の人たちの中で語り継がれてきた言葉に、全く同じ内容のものがあるそうだ。
 日本でもアイヌの人たちが自然と共存する生き方を太古の昔から伝えているが、全く同じ内容ではないだろうか。人間は大自然の中の一つの生き物であり、死んだ後は自然にかえるのである。植物や動物、様々の生き物と人間は本来共存すべきなのである。大自然の法則に逆らわず、今現在、人間として生きていることに感謝し、あるがままの自然な生き方をしたいものだ。