リスボンのマロークリニック

 今、私は、ポルトガルリスボンにいます。現在、世界で一番稼いでいる歯科医師である、ポール・マロウ先生の歯科医院の見学コースにきています。写真のビルは彼の医院です。インプラントの治療の患者が世界中からやってくるそうです。上顎、下顎それぞれ4本のインプラントで奥歯まで歯を作るという彼の考案した方法が、世界中で評判になっている。従来の方法をやっている先生方の評判はあまり良くないが、患者からしてみればコストダウンにつながるので、この世界同時不況の中での実績はどんどんのびていて、ニュウヨーク、やマカオにも診療所がある。リスボンマロウクリニックには現在700人の職員が働き、歯科医師だけでも75人いる。世界中での従業員の数は2000人を超えているそうだ。このクリニックの中にはエステサロンや一般外科や美容院までできるそうだ。
 一体全体、このマロウ先生は何を考えているのか、普通の歯科医師では想像もできない。以前から学会等で彼のオペを見たり、彼の講演を聞いたりしたことはあったが、彼の医療施設の規模や治療内容を直接視たいというのが、今回の目的であった。実際、彼の行動を目の当たりにしてみると、スケールの大きさが桁外れだあった。日本の片田舎でちまちま診療をしている自分との違いは何なのか、考えてみた。インプラントの手術についていえば、それほど劣っていないが、インプラントの埋入本数では負けている。治療な内容を単純化して若い先生にとってやりやすい術式を作っている。インプラントの使用本数が少ないので治療コストが低い。多くの職員が分担して仕事をしている。ということが自分との差としてあげられる。自分が彼に対抗するためには一体どうしたらよいのだろうか。まず、何が何でもインプラントの埋入本数を増やす工夫や仕掛けや施設を作らなければならないと思った。