オペの所用時間

 インプラントのオペも、1000件以上やっていると、だいたいオペの所要時間がわかります。それがわからないと、予定が立てにくくなりますので、オペの所要時間はオペの内容によりあらかじめ決めておきます。ところが、実際に実施してみると思わぬ出来事に直面します。例えば出血が多くて、止血に余分な時間かかったり、その場の判断で予定以外の処置をすることもあります。オペとはそういうものです。その時により理想的なオペを実施するために予定をオーバーしてしまう場合もあります。予定の時間内で治まるようにするために中途半端な処置をするわけにもいきません。
 私の知り合いの先生で、とにかく早くオペを行なうことに力を注ぐ先生がおられましたが、気の毒なことに、患者様を出血により死亡させてしまいました。この例は極端ですが、ちょっとひと手間作業の確認をすることで、大きな事故を防ぐことができるのです。私のオペは決してもたもたはしませんが、確認すべきことには時間と手間を省くことはしたくありません。オペというのは、その時、全てを判断して、その時実行しなければなりません。決してあわててはいけないのです。私のオペはそれほど時間をオーバーすることはないのですが、時には時間オーバーしてでもいいオペがしたいですね。