イージス艦の事故

 イージス艦というのがあれほど大きな軍艦だとは知らなかった。今回まっぷたつにちぎれた漁船など、このイージス艦に比べたらおもちゃみたいなものだ。自衛隊の軍艦が想定しているのは、他国の攻撃に対する防御だろう。がしかし、日本近海での活動の際、今回のような漁船の存在を想定できなかったことはおかしい。この事故の原因はいくつもあるだろうが、自衛官の諸君が日常の勤務の際の意識が低いことが予想される。ちょうどその時間が勤務の交代の時間と重なったらしいが、だからといって艦の動きに一瞬の空白も許されないはずだ。例えば、他国の戦闘機が接近したとして、対策を講じて何らかの応戦をする時、ほんの数分で決着はつくのである。今回も漁船発見から、数分あれば事故は回避できたはずである。
 我々の仕事もその一瞬の勝負である。瞬間的な判断を誤れば、大きな事故につながるのである。その事故に対する発生の可能性をいつも意識していると、日々の仕事に対する思い入れかたが違ってくる。事故を全くなくすことは難しいが、未然に防ぎ、最小に押さえる努力は必要である。他人事ではなく、自分たちの仕事に対しても、思いを新たにしなければならない。