二百年耐用住宅

 一般庶民にとって持ち家は大きな夢である。その夢を実現させるために、少しでも安価な住宅の供給が始まったのが30年ほど前だと思う。ところが、建築コストを低く抑えるために、基礎工事を簡単に済ませたり、安い外材を使うようになった。一般庶民の夢である持ち家を獲得する人は増えたが、耐久性の悪い住宅を50年くらいのサイクルで壊してしまう事が多い。もしも100年から200年耐用年数のある住宅を建築すれば、長い目で見れば建築材料の無駄を省く事ができる。
 ドイツでは、住宅の建築にあたっては、100年耐用住宅が義務づけられている。そのためには建築に使われる木材を限定したり、サッシもアルミでは耐久性がないので木製でなければいけません。木材を熱帯雨林の伐採につながることは地球全体の資源の無駄使いとして禁止している。これは、地球全体の二酸化炭素の増加を防ぐ事につながり、地球温暖化の防止につながる。そのかわり、ドイツでは、親子三代のわたる住宅ローンが認められている。実際に100年もてば親子三代が住む事になるのである。
 日本でも、最近、<二百年住宅ビジョン>なるものが、自民党住宅土地調査会から提唱された(2007.7.6朝日新聞福田康夫氏へのインタビュー)。純粋に地球温暖化防止のためなのか、新しい形の産業の育成のためなのかははっきりしないが、無駄な消費を控えて物を大事に使うことには大賛成である。日本でも、ドイツなみの政治的な支援を期待したい。