四国石鎚山

 日本では各地で山岳信仰が行われている。そのうちの一つが四国の石鎚山である。この山は霊山としてあがめられ、神の宿る場所として信仰の対象となっている。形としては、石鎚神社にまつられた神様をにお参りするということになる。毎年7月の1日から10日までがお山開きの期間となる。全国から多くの信者たちが集まる。私の場合、母親の影響で、この石鎚山にこの時期お参りすることが年間行事になっている。石鎚神社というのは成就社というかなり上の場所にある。その麓に、極楽時という寺があり、この寺に宿泊することになっている。この寺には、石鎚大権現という神様がまつられており、弘法大使ゆかりの高野山真言密教の正式な方法で護摩焚き祈願が行われる。
 近代的な科学に基づいた診療をしなければならない我々歯科医師が、このような信仰をすることを不合理だと感ずる人もいるかもしれない。しかし、科学的な根拠に基づいた治療といっても、実際に処置を行うのは機械ではなく人間である。そして治療を受けるのも人間である。人間の持っている体の仕組みについては、様々な角度から解明されているが、最後は固有の精神や気というものが大きな役割をになっていることに気がつく。我々、人をあつかう外科医は、神の存在を日々認識しているのである。昨日も2件のオペをさせていただいたが、両方とも決して簡単な手術でなかったが、ミスもなく予定通りの手術ができたことを、素直な気持で神様に感謝します。協力していただいた麻酔科の先生、スタッフの諸君、お疲れさま。安心して、私に手術をゆだねていただいた患者さま、ありがとう。