CTデータからわかること

 歯科用CTの特徴は、エックス線の被爆量が少ないことと、撮影操作が簡単なことである。そのCTから得られた情報をどのように利用するのかというと、いくつかある。最も価値のある情報は、骨の断面が正確にわかることである。以前埋入されたインプラントが骨のどのような位置に埋入されているのかが即座にわかってしまう。薄い骨の中にインプラントがきちんと存在しているのか、あるいは骨から突き出ているのか。神経との位置関係はどのようになっているのか、以前骨移植していた部分が立体的にどのようなっているのか、など、興味ある情報が簡単に得られるのである。この二週間、約200人の撮影をさせていただき、過去の治療の確認をさせていただきました。
 今までどのようにインプラントの埋入をしたら良いのか、自分なりの方法がありますが、予定通りの埋入がでいているのかどうか、このCTで確認してみました。予定通りの埋入ができているものがほとんどでしたが、中にはぎりぎりでうまくいっているものもありました。実際の手術は100パーセント自分の思い通りにはいかないので、安全率を十分にとる必要があることを実感しました。
上顎の中に骨を移植してから約一年後のCT像である。もともとの骨の上にきれいに骨ができていることがわかる。